確実に一歩ずつ進めば大丈夫

春から高校三年生になるお子さんをお持ちの保護者の方からご質問をいただきました。ありがとうございます。

 

以下、質問内容(原文そのまま)

 

はじめまして。
子供が獣医を志望しており、情報があまりないため、ネットで色々探していましたら、旧「獣医の受験ブログ」を見つけ、読ませていただいておりました。
子供はこの春高3になります。
私学は経済的に無理なことと、何度か足を運び本人は、農工大の進学を強く望んでいるようですが、高2の１１月に受けた駿台アドバンスト模試は農工大共同獣医学部前期はB判定でした。そもそも、獣医学部は志望してる人が少ないため、判定自体信頼できるものなのか、また塾も今のままでいいのか悩んでおります。
高1より鉄緑会に通塾しているのですが、英語は苦手、算数は嫌いではないですが、このまま鉄緑会で東大向けの勉強を続けて農工大に合格できるのか疑問も感じます。
実際、獣医学部に通学されている方は塾はどのような所に通っていたのか、また、国公立コースに在籍すべきか、早慶コースに在籍すべきか、メジャーな大学だとどのような大学の入試問題をイメージして勉強したらいいのか、ご意見伺えますと、大変有り難いです。
どうぞ宜しくお願い致します。

 

 

高校2年生の段階で、明確に東京農工大獣医に進学を志望されており、駿台の模試でもB判定を出されている。成績表を直接拝見したわけではないので、確定的なことは申し上げられませんが、お子さんは受験街道を順調に歩まれているのではないでしょうか。

 

今の勉強に対する取り組みを、確実に一歩ずつ進めていけば大丈夫です。

 

東大受験の名門、鉄緑会にも高1から通われているとのことで、とてもうらやましく思います。

筆者は田舎の公立高校出身なので、鉄緑会など雲の上の存在です。もし、お子さんが鉄緑会の指導内容に満足し、通塾を楽しんでおられるようなら、無理に塾を変える必要はないと思います。

 

受験において、志の高い仲間や友達の存在は非常に重要になってきます。鉄緑会に集う全国トップクラスの仲間との切磋琢磨は、これからの人生においても大変有意義なこととなるでしょう。筆者は受験の多くの時間を図書館で一人で過ごしてきた身なので、仲間という存在を心底うらやましく思います。

 

しかし。しかしです。東京農工大獣医を突破するために、東大入試で必要とされるような個別試験の学力が必要かというと、答えはNoです。

 

東京農工大獣医を突破するためには、まずは共通テストで安定的に85～90％得点できるような訓練を繰り返さなくてはいけません。

(今年度の共通テストは超難化していたので80％～85％が目安)

 

東大合格生の多くは85％～90％のラインは超えてきますが、東京農工大獣医を目指すのであれば、共通テストの確実な目標クリアに全力を注がなくてはいけません。

 

基本に忠実に、取りこぼしがないような地道な共通テスト向けの勉強が合格への第一歩となります。

東京農工大獣医の合格に「金メダル」はいりません。

 

ちなみに農工大同期の通塾に関しては、みんながみんな塾にがっつり通っていたわけではありませんでした。

浪人している子たちは大手予備校の浪人コースや全寮制の予備校に通っていたり、宅浪だったり、はたまた別の大学に通っていたりとバラエティー豊かでした。

 

現在はどのような通塾スタイルでしょうか？もしできるなら、英語と数学だけに絞るとか、共通テスト重視に向けたスタイルに今後作り変えていく必要があるかもしれませんね。

 

農工大の個別試験は獣医学科も他学科も同じ試験内容で統一されており、概して基本～標準問題で構成されています。

旧帝国大学クラスの問題と比べるとかなり基本的な内容になっており、それだけ高得点が求められ、共通テストで失敗してしまうと、どれだけ学力があっても個別での逆転は難しくなってきます。

 

筆者は東京農工大獣医の前期試験の直前、試験慣れのため早稲田大学教育学部(生物系)も受験していますが、早稲田のほうが試験問題の難易度は高く思いました。ただ、農工大対策で標準問題を手厚く解いていたので、早稲田の問題も難問は無視して標準問題を無難に解いていって合格することはできました。

 

つらつらと書いてきましたが、一番大事なことは本人がどうしたいか。塾でハイレベルな問題に取り組みたいという気持ちがあるのなら、敢えて止めることはありません。

 

幸いまだ時間は幾分残されています。ご本人の考え、他に東大や北海道大の獣医に興味があるとか、医学や薬学も受験してみたいとか、いろいろあるかもしれませんので、またいつでもお気軽にご質問いただけると嬉しいです。