最後は本人の意思を信じる

皆さんこんにちは。本日は獣医学生の保護者の方からご相談いただきましたので、共有させていただきます。

獣医系に進学するうえで、とても重要な要素を含んでいると思いますが、正解が見つからない難しい内容になっております。

(以下、質問原文そのまま)

こんにちは。はじめまして。
今春から某私立獣医学部に通ってる子の保護者です。
小さな頃からの獣医師になる夢をおいかけ、
長年勉学に励んでました。
現地に見学にも行き某国立大学を志望校にしてましたが、
高3で伸び悩み浪人を避けたい為、某私立獣医に推薦で入学しました。この決断は馬関係の獣医師を目指してた為
大学の環境面も敵してると思い満足していました。

しかし志望した理由の一つだった某馬関係の部に所属した
のですが、平日授業と実習があるのに大会の準備との理由で
2.3日前に公欠で学校を休むようにと強制的に部長に言われたようです。子供を含む新入生の何人かは実習に出たいと伝え
ましたが却下されました。
親としては学業優先は当たり前で驚き、学校に問い合わせました。
学校が調べるとまだ部から公欠届けが出てない為顧問に問い合わせでもらい、子供達は実習教授にどうしたらいいかお願いしたり散々骨をおりました。
結局、公欠届けが出て、実習教授が他日に振り替えをしてくれました。
しかしその後、部の先輩は去年の獣医学部達は公欠で授業を休んでたが成績は良かったと論点がずれた事を言ってたようです。
新入生は公欠で実習を休んでるのに、学校の部室で一日中待機させられてました。
スポーツ推薦で入学したわけでもなく理解し難いです。
親としては学校選択を間違えたのではと、やはり国立の方が勉学に真面目ではないかと再受験を考えてはと助言しました。
部を辞めればいいのですが、学校を選択した理由の一つですし馬関係の仕事につきたいとの思いもあり落胆しています。

国立獣医学部もこのような部の強制があるのでしょうか?
新入生は親元を離れて1人暮らしの為、まだ判断が上手く出来ず言いなりのようです。

保護者として、相当な気苦労を重ねておられること、心中お察し申し上げます。

結論から申し上げますと、「私立だからこう不真面目、国立だから真面目」とうことは決してございません。

筆者が学生のころ、外部講師の方に「農工大の学生は真面目だね」と言われたことがありますし、筆者の同級生たちもとても真面目で、あんなに真面目な集団に所属したのは人生初でした。

筆者の同級生(真面目)も馬術部に入学時から所属し、最後は主将まで勤め上げましたが、日々の活動には頭が下がることばかりでした。

プライベートな時間を削って、部活動に励み、友達と遊びに行くことや、自分のためにアルバイトすることすら難しい状況だったと思います。

朝も早く、夜も遅く、厩舎に寝泊まりすることも日常でした。大会等のため、年に数回ですが授業を休むこともあったようです。

同級生は自宅アパートにもほとんど帰らず、あまりにも光熱水費が少ないため、大家から問い合わせがあったほどだそうです。

馬のエサ代を稼ぐためにバイトもしていました。

筆者は、同級生や先輩、後輩たちが過酷な日常を過ごしていることを近くで見てきたため、今回のご質問を拝見したとき、それほどの驚きを覚えることはありませんでしたが、

保護者の方からすれば、到底見過ごせない実態だと思います。

お子さんが将来、馬関係の獣医を目指されているということで、かなりご心配のことと思いますが、

馬関係の部活を続けることと、馬関係の獣医を目指すことは切り離して考える必要があります。

野球やサッカーのスポーツドクターが、必ずしも野球部やサッカー部で活躍していた過去が求められるわけではありません。

馬獣医療にかかわりたいという強い思いがあるのであれば、今後の部活がどうであれ、目標に向かって励んでほしいと思っています。

馬関係の部活に入っていたほうが就職に有利かというと、「不利にはならないだろうな」という程度でしかないと思います。

筆者の後輩が今年度からJRA(日本中央競馬会)に入りましたが、馬術部ではありません。でも馬が好きという思いは抱き続け、立派に馬関係の仕事に就いています。

例え、卒業後すぐに馬関係の仕事に就けなかったとしても、その志を大切に、獣医の仕事に取り組んでもらいたいと願っています。

馬関係の仕事も地方競馬やらブリーダーやら、開業、共済組合と多岐に渡りますので、何らかの形で夢を追い続けることは可能です。

獣医師は一生勉強、一生夢追い人でいられるすてきな職業の一つです。

ですので、部活が理不尽で大変なことと、理想の獣医師になることは全く切り離して考える必要がありそうです。

おそらくですが、とんちんかんなことを言ってくる先輩たちは、そのまた大先輩にとんちんかんなことを言われて活動してきたのかもしれません。

「部活」という場所は閉鎖的なところで、社会の常識では考えられないことが時に起こり、その様子を撮影した動画が拡散して社会問題になったりもします。

保護者としてはいろいろ手助けをしてあげたくはなりますが、こういったことが起こった時にどう対処していくか、大げさに言うと危機管理能力を身に付けていくことはとても大切なことです。

獣医の世界は広いようで狭いので、この先、今回のケースとは違うさまざまなトラブルに巻き込まれる可能性はおおいにあります。

その都度、どのように立ち回り、どのような選択が最適な答えとなるのか、こればかりは場数を経験していくしかありません。

馬術部は大変です。生き物を扱うということは、なかなかほかの部活にはない要素です。一般学生からすると超ブラックと言われても、致し方ない面もあります。

苦労を乗り越え、理不尽に耐え、活動を続けることはとても素晴らしいことでありますが、それを辞めたからと言って、夢にマイナスになることは一切ないと思います。

部活を続けることで実習への参加が妨げられたり、テスト勉強の時間が確保できなかったり、自分のために?アルバイトできなかったり、実家に帰省できなかったり、これからも大変なことは続いていくでしょう。

ですので、どこでどう折り合いをつけて、割り切ってやっていくか、最後は本人の意思が大事になってきます。

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