カラダの謎をめぐる入門書「人体の不思議」

おすすめ度

受験生★★☆

大学生★★★

獣医師★★☆

本日ご紹介するのはヒトの仕組みに迫る入門書

眠れなくなるほど面白い 図解 人体の不思議

荻野剛志 医学博士。共立荻野病院院長 監修

本書を購入したのはちょうど一週間前。遠方に出張する機会があり、駅に隣接する本屋で品定めして選びました。

行きと帰りの特急電車の中で読破しました。夜行バスも利用する旅路だったのですが、バスの中でページを少しめくってみたものの、揺れと暗がりのため即座に断念。

本書は普段疑問に感じるような人体についての疑問に明快にそして科学的に答えてくれています。

例えば、「甘いものは別腹」「一目惚れは脳の勘違い」「どうしてお腹が鳴るの?」等々、身近な疑問に見開き1ページで回答しています。

右ページは説明文、左ページはイラスト解説で、まず見出しでトピックをつかんで、イラスト解説でイメージを定着させてから右の本文に入っていくのが一番スムーズかと思います。

ちょっとした出張とかは、論文とか専門書を読み込むよりも、肩肘はらずに読める一般書を活用するようにしています。

筆者の獣医学生時代は解剖学や生理学といったガチガチの教科書ばかりを読んで、テスト前に暗記&暗記。国家試験でまた復習といった学習スタイルでした。

今、思い返せば本書のような一般書を織り交ぜながら勉強していれば、さらに専門分野の理解が深まっただろうと少し後悔しています。

本書96、97ページの「関節がポキポキと鳴る、あれって何の音?」ではその正体が関節液の中の気泡ではないか、と解説されています。

皆さんも関節のポキポキ経験はありますよね?(筆者は高校生のころから肩こりがひどくて首がポキポキなります)

骨と骨のつなぎめ部分は、関節包という袋状の構造で覆われ、中にはクッションの役割をする関節液(滑液)が満ちています。

ちなみに、関節包の内部にある骨の末端は、俗にいう軟骨(関節軟骨)です。軟骨にはコンドロイチンという成分が含まれており、減少すると膝や腰の関節痛の原因になるといわれております。

「関節の痛みにはコンドロイチン何とかが効く!」というのは、このような原理からですね。

(出典:
からだの正常・異常ガイドブック)

関節のポキポキ音の正体は厳密には突き止められていないのですが、関節液中の気泡が弾ける音と考えられています。

骨と骨のつなぎ目は袋で覆われていて、中には液体があって、関節を曲げたりすると液中の気泡が弾けて、ポキポキと骨に反響する、と考えてみると妙に納得できますよね。

ポキポキ音だけではなく、人体にまつわる身近な「?」が生き物の本質を理解するための重要な足がかりとなる場合が多々あります。

医療系を志す皆さんは、勉強の合間に本書を手に取ってみてはいかがでしょうか。

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